この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2022の4日目のために書かれたものです。
どんなゲーム?
プレイ人数:2人から6人まで
ル・プラトーはRaymond Gallardoさんによるオリジナルトリックテイキングゲームです。トリックに勝ってカードを獲得したらゲームボードにコマを置き、陣取り合戦を行います。
元の英語ルールとボードの画像データはこちらから入手することができます。ル・プラトーはカナダのケベック州にある地区の名前で、”法外な家賃で悪名高い”そうです(作者談)。
カード構成
タロットデッキを使います。プレイ人数によって一部のカードを抜きます。
人数 | 大アルカナ | 小アルカナ | 使うカードの枚数 |
2人 | 8~15を抜く | 1~9を抜く | 34枚 |
3人 | すべて使う | 1~9を抜く | 42枚 |
4人 | すべて使う | ♥♦♣:1~6を抜く ♠:1~5を抜く | 55枚 |
5人 | すべて使う | ♥♦:1~3を抜く ♣♠:1、2を抜く | 68枚 |
6人 | すべて使う | すべて使う | 78枚 |
大アルカナの1~21とエクスキューズ(★)は切札として扱います。
ゲームの準備
ル・プラトーは2つのチーム(デクレアラーとディフェンダー)に分かれて対戦するチーム戦のゲームです。トリックに勝ったチームはゲームボードにコマを置いてデクレアラーの宣言を達成したり妨害することを目指します。
コマ
ゲームボードに置くためのコマを37個ずつ2チーム分用意します(色が異なるコマを2セット用意する)。ゲームボードのマスの数が37個なので、オセロのコマのように裏表の色が異なるものを37個使っても構いません。
ゲームボード
リンクから画像をダウンロードしてタブレットなどで表示させるか、印刷したものを用意してください。プレイ人数が2人と3人~6人で異なるボードを使います。プレイヤー全員の手が届くようにテーブルの中央に置きます。
ボードにはタロットカードに対応したマスが描かれています。
トリックスペース
数字は何トリック目で勝ったのかをあらわします。1ラウンドの間に2人プレイの場合は12トリック、3人~6人の場合は15トリックを遊びますが、対応するトリックで勝ったチームがコマを置きます。
カードスペース
対応する小アルカナカードを獲得したチームがコマを置きます。
切札スペース
対応する大アルカナカードを獲得したチームがコマを置きます。
ゲームの流れ
配られた手札を使ってカードを取り合い、最後に得点計算を行うまでの流れをラウンドと言います。1回のゲームで何ラウンド遊ぶかは自由に決めることができますが、プレイヤー人数の倍数(例:4人だと4ラウンドか8ラウンド)にすることがおすすめです。
ラウンドの流れ
ディール、ビッド、カード交換、パートナー宣言、勝利条件変更、カードプレイ、得点計算の順に進めます。
ディール
適当な方法で最初のディーラーを決めます。デッキをシャッフルしてカードを配ります。配り方はプレイ人数によって異なります。
2人プレイ
- 両プレイヤーの前に2枚ずつ5つの山札を作ります。カードは伏せたままにします。
- 手札を6枚ずつ配ります。各プレイヤーは配られたカードを相手に見えないように持ちます。
- 残った2枚のカードはタロンと呼びます。伏せたままにしておきます。
- 両プレイヤーは自分の前の5つの山札の上のカードを公開します。
3人~5人プレイ
- 各プレイヤーに13枚ずつ配ります。配られたカードを相手に見えないように持ちます。
- 残った3枚のカードはタロンとして伏せたままにしておきます。
6人プレイ
各プレイヤーに13枚ずつ配ります。タロンはありません。
ビッド
ディーラーの左隣のプレイヤーからデクレアラーになるためにビッドを宣言します。宣言は時計回りに進みます。前のプレイヤーより高いビッドを宣言するかパスしますが、パスしたプレイヤーは再びビッドすることができません。他のプレイヤーが全員パスしたら残ったプレイヤーがデクレアラーになります。プレイヤー全員がパスしたら次のラウンドに進みます。
ラウンドの勝利条件やゲームの進め方を宣言することでビッドの強さ(ビッドポイント)を決めます。プレイ人数毎に選べるビッドが異なるため、表にまとめました。
カード交換、勝利条件、パートナー人数の合計がビッドポイントになります。好きなように組み合わせることができますが、前のプレイヤーよりもビッドポイントが高くなるように選びます。表の<太字>になっているところはプレイ人数によって最低必要なビッドの組み合わせです。
2人、3人プレイではパートナーがいないため、パートナー人数はビッドポイントの計算をしません。6人プレイではカードが配り切りなのでカード交換の計算がありません。
例えば4人プレイの場合は<1>+<2>+<0>の3点以上をビッドしなければなりません。勝利条件がY字から始まっていますが、次の人が必ずY字より難しいものを選ぶ必要はなく、合計が前のプレイヤーを上回るようにすればビッドに参加することができます。
勝利条件
デクレアラーはボードにコマを置くことで道を作ることを目指します。ビッドで宣言した勝利条件の通りに道を作ることで勝ちを目指します。
注意
– コマが角に置かれた場合は隣接する2つの辺のどちらにもつながっているとみなします。
– 宣言したビッドより強い(難しい)ビッドを達成した場合も勝利条件を達成したとみなします。
橋
互いに向かい側の2つの辺をつなぐ。
Y字
隣接していない3つの辺をつなぐ。
フォーク
橋とY字を同時に達成する。
5辺
5つの辺をつなぐ。
6辺
すべて(6つ)の辺をつなぐ。
カード交換
ビッドでタロンと手札を交換するを宣言してるならカードを交換することができます。タロンを手札に入れたあと、同じ枚数を伏せたまま捨てます。
パートナー宣言
ビッドでパートナーあり(1人、2人)を宣言しているならパートナーを探すことができます。デクレアラーは自分が持っていないもっとも強い小アルカナカードを宣言します。もし誰かがそれを持っているならばその人がデクレアラーのパートナーになります(持っていると答える)。タロンに入っているため、誰も持っていないならデクレアラーは別のカード(次に強い小アルカナ)を宣言してパートナーを探します。
パートナーが2人いる場合は1人目のパートナーを探したあとに同じ方法で2人目のパートナーを探します(作者に確認:2人目を探すときに宣言されたカードを1人目のパートナーが持っている場合はどうするか?)。
勝利条件変更
デクレアラーのパートナーがいる場合、パートナーは一回だけ勝利条件をより難しいことに変えることができます。そのあと、デクレアラーも一回だけ勝利条件を上げることができます。それに伴ってビッドポイントも変わります。
ソロで戦う場合もデクレアラーが一回だけ勝利条件を上げることができます。
5人プレイでパートナーが勝利条件を上げた場合、デクレアラーは勝利条件を上げる代わりにデクレアラーの資格をパートナーに渡すことができます。得点計算もデクレアラーとパートナーが入れ替わったまま行います(負けた場合は新しいデクレアラーがより大きく失点する)。
6人プレイでパートナーが複数いる場合、デクレアラーから時計回りでもっとも近いパートナー→もう1人のパートナー→デクレアラーの順番で勝利条件を上げるかを宣言します。
カードプレイ
最初のトリックではディーラーの左隣の人がリードします。リードプレイヤーはどのカードを出してもかまいません。時計回りにカードを1枚ずつ出してトリックの勝者を決めます。
小アルカナはKがもっとも強く、Q、C、J、10、9 ~ 2、Aの順に弱くなります。大アルカナは切札となり、小アルカナのどのカードよりも強いです。エクスキューズ(★)がもっとも強く(22扱い)、数字が高いほど強いです。
リードの次のプレイヤーからはリードカードと同じスートのカードを持っていれば出さなければなりません。もし持っていないなら切り札を出します(フレンチタロットと異なり、どんな切り札でも良い)。切札を持っていないときは好きなカードを出します。
もっとも強いカードを出したプレイヤーがトリックの勝者になり、トリックに出されたカードをすべて獲得します。ゲームボードの対応するマスにコマを置き、次のトリックをリードします。
2人プレイの時のカードプレイ
両プレイヤーの山札の公開されたカードも手札の一部として扱います。公開されたカードが使われたら、トリック勝負のあとに下にある伏せられたカードが公開されます。
最後のトリックが終わったあと、伏せられたカードを公開します。デクレアラーが手札を交換しているなら、これらのカードは相手チームが獲得します。デクレアラーが手札の交換をしていないならタロンはデクレアラーが獲得したものになります。獲得したカードに対応するマスにコマを置きます。
得点計算
デクレアラーが勝利条件を達成したら(または達成することが不可能だと分かったら)手札のカードが残っていてもただちに得点計算に移ります。
デクレアラー側が勝利条件を達成したらチームのみんなが以下のように得点します。勝利条件を達成できなかった場合は失点になります。
プレイ人数 | 得点/失点ポイント |
デクレアラーチームとディフェンダーチームの人数が同じ | ビッドポイント×1 |
デクレアラーチームが1人 | ビッドポイント×ディフェンダーチームの人数 |
5人プレイでデクレアラーチームが2人 | デクレアラー:ビッドポイント×2 パートナー:ビッドポイント×1 |
6人プレイでデクレアラーチームが2人 | ビッドポイント×2 |
得点計算が終わったら次のラウンドに移ります。ボードに置かれたコマを戻してカードをシャッフルします。ディーラーが左隣のプレイヤーに移ります。
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別府さい先生がル・プラトーのボードを作ってくれました。画像データ(PDF)はこちらからダウンロードできます。
別府さい先生、おいしいたにし先生による美しいタロットデッキが発売されていますのでそちらもよろしくお願いいたします。タロットを使うゲームは私自身馴染みが薄く、プレイしたものをこのブログで紹介していけたらなと思っています。
通販サイト
別府さい「Living on Allotments」:リンク
おいしいたにし「タロット・オブ・ノクタ」: リンク
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