どんなゲーム?
プレイ人数:3人から5人まで
フレンチタロットはデクレアラーとディフェンダーに分かれて戦うチーム戦のゲームです。デクレアラーはたくさんのカードを獲得しようとし、ディフェンダーはそれを阻止します。
3人か4人で遊ぶときは1人がデクレアラーとなり、その他のプレイヤーのディフェンダーになります。
5人のときはデクレアラー1人とパートナー1人が同じチームになり、他のプレイヤーがディフェンダーになります。
カード構成
タロットカードは大アルカナと小アルカナに分かれます。
大アルカナ(22枚)
- ★(エクスキューズと呼ばれる)と1~21の数字のみのカード。
- フレンチタロットでは、1から21の大アルカナは切札と呼ばれる強いカードです。
- 1、21、★の3枚はウドレと呼ばれる重要なカードです。
小アルカナ(56枚)
- ス ートとランクが一緒に描かれたカード。
- スートとは小アルカナカードの種類をあらわすものです。カード上に♣♠♥♦描かれています。
- ランクとは強さをあらわすものです。カード上に数字の1から10とK、Q、C、Jのように描かれています。
- Kはキング、 Qはクイーン、 Cはカヴァリエ、Jはジャックと呼びます。
各カードには、獲得すると得られる点数が記されています。 🌕は1点、🌓は0.5点です。
ゲームの準備
カードを配る人(以後、ディーラー)を決めます。ディーラーはすべてのカードをよく混ぜてから各プレイヤーに配ります。配る枚数は遊ぶ人数によって異なります。
人数 | 3人 | 4人 | 5人 |
枚数 | 24枚 | 18枚 | 15枚 |
残ったカードはテーブルの真ん中に置きます。この残ったカードをシエンと言います。
ゲームの流れ
配られた手札を使ってカードを取り合い、最後に得点計算を行うまでの流れをラウンドと言います。1回のゲームで何ラウンド遊ぶかは自由に決めることができますが、プレイヤー人数の倍数(例:4人だと4ラウンドか8ラウンド)にすることがおすすめです。
ラウンドの流れ
ビッド、手札交換、宣言、カードプレイ、得点計算の順に進めます。
ビッド
デクレアラーになる権利をかけて他のプレイヤーより難しい条件(ビッド)を宣言します。フレンチタロットにはプリーズ、 ガルド、ガルド・サン、 ガルド・コントルの4つのビッドがあります。プリーズがもっとも弱いビッドで、ガルド→ガルド・サン→ガルド・コントルの順に強くなります。 強いビッドほどデクレアラーにとって難しいルールになりますが、その代わりに勝利したときの得点も大きくなります。ディーラーの右隣りのプレイヤーからビッドを始めます。以降、プレイヤーは反時計回り順により強いビッドをするか パスします。
プリーズ
デクレアラーはカードをプレイする前に配り残りのシエンと自分の手札を交換することができます。交換後のシエンはラウンドの終了時にデクレアラーのものになります。
ガルド
ゲームのルールはプリーズと同じですが、得点が異なる(得点計算を参照)ため、より強気のビッドです。成功したときの得点が2倍になります。
ガルド・サン
シエンと手札の交換は行いません。シエンはラウンドの終了時にデクレアラーのものになります。成功したときの得点が4倍になります。
ガルド・コントル
シエンと手札の交換は行いません。シエンはラウンドの終了時にディフェンダーのものになります。成功したときの得点が6倍になります。
ビッド | 手札交換 | シェン獲得 | 得点倍率 |
プリーズ | 〇 | デクレアラー | 1倍 |
ガルド | 〇 | デクレアラー | 2倍 |
ガルド・サン | × | デクレアラー | 4倍 |
ガルド・コントル | × | ディフェンダー | 6倍 |
全員が1回ずつビッドかパスを宣言したあと、もっとも強いビッドをした人がデクレアラーになります。デクレアラー以外のプレイヤーがディフェンダーになります。5人ゲームのときは、デクレアラーは任意のスートのKを1枚選んでパートナーを指定し、「○○(スート)のKを持っている人がパートナーです」と宣言します。選ばれたカードを持っているプレイヤーがデクレアラーのパートナーになります。すべてのKをデクレアラー自身が持っているときはQを選ぶこともできます。パートナーは選ばれたカードをプレイするまでは正体を明かしてはいけません。
全員がパスした場合は、手札を配り直し再度ビッドを行います。
手札交換
デクレアラーがプリーズやガルドを宣言したらシエンと手札のカードを交換することができます。デクレアラーはシエンのカードをプレイヤー全員に見えるように公開します。全員がシエンのカードを確認したら、デクレアラーはシエンのカードを手札に入れたあと、シエンと同じ枚数のカードを選んでテーブルに裏向きで捨てます。これが新たなシエンとなります。
- ウドレやKを捨てることはできません。
- 他のカードはシエンからもらったものでも捨てることができます。
- 手札のKや切札が多すぎる(切札やKではないカードの枚数がシエンより少ない)ときはウドレ以外の切札(2~20)を捨てることができます。捨てる切札を全員に見せます。
- 5人ゲームでパートナーに宣言したカードがシエンの中から出てくるときがあります。そのときはパートナーなしでデクレアラー1人で戦います。
宣言
手札を交換したら各プレイヤーはスラムや手役の宣言を行い、ボーナス点を狙うことができます。 宣言の義務はなく、自由な順番で行います。
スラム
自チームですべてのトリックに勝つという宣言です。 成功したら400点、失敗したら-200点です。
手役
手札から決まった枚数の切札かエクスキューズを公開します。公開する枚数以上の切札を持っていればエクスキューズは公開しません。手役が公開されると、ラウンド終了時に勝ったチームにボーナス点が付きます。点数はプレイ人数と公開する切札の枚数によって異なります。
3人プレイ | 4人プレイ | 5人プレイ | 点数 |
13枚 | 10枚 | 8枚 | 20 |
15枚 | 13枚 | 10枚 | 30 |
18枚 | 15枚 | 13枚 | 40 |
手役の宣言でカードを全員に見せたあと、手札に戻します。
カードプレイ
宣言が終わったらディーラーの右隣りの人から反時計回り順にカードを1枚ずつ出します。スラム宣言があった場合は宣言したプレイヤーからカードを出します。全員がカードを出したら強さを比較し、もっとも強いカードを出した人が勝者となり、場に出ているカードをすべて獲得します。全員が1枚ずつカードを出し、勝者が場のカードを獲得するまでの流れをトリックと呼びます。
トリックの最初にカードを出すことをリードと言います。リードには制約がなく、好きなカードを出すことができます。
他のプレイヤーはリードカードによる制約を受けます。まず切札でリードされた場合、他のプレイヤーも切札を出さなければなりません。しかも今の場に出ているよりも強い切札を持っている場合、そのどれかを出さなければなりません。そのようなカードを持っていない場合は切札のどれかを出します。切札も持っていないなら好きなカードを出すことができます。
切札リードではない場合も他のプレイヤーはリードされたものと同じスートのカードを出さなければなりません。同じスートのカードを持っていないプレイヤーは切札を出さなければなりません。切札リードのときと同じく、場に出ているカードよりも強い切札を出します。切札を持っていない場合は好きなカードを出すことができます。
トリックの判定
全員がカードを1枚ずつ出したらカードの強さを比較します。場に切札が出ていれば切札でもっとも数字の高いカードを出したプレイヤーがトリックに勝ちます。切札が出ていない場合はリードスートと同じスートでもっとも高いランク(1 < 2 < … < 10 < J < C < Q < K)のカードを出したプレイヤーが勝ちます。トリックの勝者が場に出ているカードを獲得し、次のトリックのリードを行います。
★(エクスキューズ)の使い方
- エクスキューズはカードの出し方の制約を受けず、好きなときに出すことができます。
- エクスキューズは他のどのカードよりも弱いです。
- エクスキューズでリードされたときは次のプレイヤーが出したカードによって制約が発生します。
- エクスキューズが相手側のチームに取られたときに自チームが獲得した0.5点のカード(e.得点計算を参考)とエクスキューズを交換することができます。まだ獲得したカードがないときには0.5点のカードが手に入ったときにあとから交換することもできます。
- 最終トリックでエクスキューズが取られたときは0.5点カードと交換することはできません。
各トリックで手札から1枚のカードを出すので、1ラウンドは手札の枚数分のトリックが行われます。手札を使い切ったらカードプレイが終わって得点計算に移ります。
プチ・オ・ブ
最後のトリックに切札の1が出たら、プチ・オ・ブの点数が付きます。切札の1でトリックに勝った場合、切札の1を出したチームに10点のボーナス点が付きます。逆に負けたらマイナス10点になります。
得点計算
すべてのトリックが終わったらデクレアラーチームは獲得したカードを集めてカードの点数の合計を計算します。
カード | 点数 |
ウドレ(★、1、21) | 4.5 |
キング(K) | 4.5 |
クイーン(Q) | 3.5 |
カヴァリエ(C) | 2.5 |
ジャック(J) | 1.5 |
上記以外 | 0.5 |
デクレアラーチームの勝利条件
獲得したカード点数が目標点以上だったらデクレアラーの勝ちです。目標点はデクレアラーチームが獲得したウドレの枚数によって変わります。
ウドレ獲得枚数 | 0 | 1 | 2 | 3 |
目標点 | 56 | 51 | 41 | 36 |
得点計算の流れ
まず、1~5の順に点数計算をします。
❶ 基本点
● デクレアラーチームの勝ち:獲得点 – 目標点 + 25
● デクレアラーチームの負け:目標点 – 獲得点 + 25
❷ プチ・オ・ブ: チーム関係なく、最終トリックに1が出たら計算する
● ラウンドの勝利チームと最終トリックの勝利チームが同じ場合 : ❶ + 10
● ラウンドの勝利チームと最終トリックの勝利チームが異なる場合 : ❶ – 10
❸ ビッド
● ❷ × ビッドの得点倍率
❹ 手役: 宣言したチームや勝ち負けに関係なく、宣言されていれば計算する
● ❸ + 手役点数
次に、プレイヤー数によって以下の通り得点または失点します。
3人、4人ゲーム
- デクレアラーの勝ち: デクレアラーは(ディフェンダーの人数 × ❹の点数)をもらいます。ディフェンダーの各プレイヤーは❹の点数を失います。
- デクレアラーの負け: デクレアラーは(ディフェンダーの人数 × ❹の点数)を失います。ディフェンダーの各プレイヤーは❹の点数をもらいます。
5人ゲーム
パートナーがいない場合は3人、4人と同じです。パートナーがいる場合は以下の通りです。
- デクレアラーチームの勝ち:デクレアラーは(❹ × 2)の点数をもらいます。パートナーは❹の点数をもらいます。ディフェンダーの各プレイヤーは❹の点数を失います。
- デクレアラーチームの負け:デクレアラーは(❹ × 2)の点数を失います。パートナーは❹の点数を失います。ディフェンダーの各プレイヤーは❹の点数をもらいます。
最後にスラムの得点を計算します。スラムを宣言しているチームは成功していたら400点をもらいます。失敗だったら200点を失います。スラム宣言なしでスラムに成功しているチームは200点をもらいます。スラムの得点はデクレアラーであるかどうかにかかわらず、チーム毎に計算します。
次のラウンドの準備
ディーラーが右隣りのプレイヤーに移ります。ディーラーはカードをすべて回収してよく混ぜたあと、各プレイヤーに配ります。
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